キックボクサー ダニロ・ザノリニ選手の強さの秘密

2016.01.26

プロボクシングトレーナーでもあります私ですが、これまで多くの空手家、キックボクサーのコンディシィニング、トレーニング、ケア、治療を担当させていただきました。
その中でもダントツで才能、努力、実力を備えた 真のキックボクサーとも各方面から高い評価を受けていますキックボクシング3冠王者 ダニロ・ザノリニ選手の強さの秘密と彼の活動を解説させていただきます。

-アスリート・指導者・経営者として大活躍!

ダニロ・ザノリニ選手は岐阜県可児市に在住していますが、名古屋を中心としたキックボクシングジムで指導を行う傍ら自ら現役キックボクサーとして年間数試合を闘い東海エリアでは最も有名なキックボクサーの一人です。
ルックス、ファイトスタイル、実力、人間性、格闘家としての努力、全て揃った素晴らしい選手です。
格闘家としての実力だけでなくスポンサーへの気配りなど、高い人間性に惹かれる方が多くスポンサー獲得も確実に行なっています。

どんなスポンサーに対しても挨拶、試合結果の報告、自らのトランクスやガウン、などスポンサー企業のPRを積極的に行い face bookなどのSNSでもしっかりスポンサーPRを行なってスポンサーの信頼度も高いアスリートです。

私はこれまでプロ野球選手、Jリーガー、オリンピック日本代表選手など数多くのトップアスリートの指導や治療を担当させていただいてきましたが、その多くは 挨拶、報告、お礼、スポンサーへの対応がほとんどできていませんでした。
アスリートは日本で恵まれていない、セカンドキャリア問題が取り上げられるようになりましたが、アスリート側にも問題があるのです。

アスリートがプロ意識をしっかり持ってお金を出したりサポートしていただいている方々にメリットになるようなPRをしっかり行えば間違いなくスポンサーは獲得できますし、競技にも専念できるのです。

多くのアスリートが学ぶことは スポーツの技能やフィジカルの向上のためのノウハウ以上に社会の仕組みや常識、スポンサー対応の具体的方法であると私は考えます。
日本ではこの分野のアスリート教育が大きく遅れています。

アスリートはこの仕組や社会への貢献のための教育を受ける場所がほとんど無いのが現状です。
根性や組織の忠誠心などは教育しても 近代的なスポーツビジネスの中におけるアスリートの役割やその対費用効果の意義など理解しているアスリートは少ないようです。とても残念なことです。

2020年、東京オリンピックで空手が競技種目として採用されても この部分がしっかり理解されないと次はありません。
人生をかけて空手やキックボクシングを続けてその先には何が有るのでしょうか?
趣味と競技スポーツは全く違います。

ダニロ選手はすでにジム経営、後輩の育成、本国ブラジルでのメディアでの自己PRと各テレビ局への出演、ブラジルでのキックボクシング普及活動などアスリートの知名度や肩書、経験をフル活用されています。
引退後の方向性や生活プラン、人生設計をしっかり考えています。

キックボクサーとしてのダニロ選手ですが、日系3世 ブラジル人で、元極真空手、ブラジル、サンパウロ王者でもあり彼の格闘家としての源は空手です。

試合前には定期的にクリニックを訪れ ウエイトコントロール、疲労回復などのコンディショニング指導を受けられています。
計量後には必ず直前のボディメンテナンスを行い 減量の身体のダメージの回復に努めます。
ダニロ選手はトレーニング以上にコンディショニングを重視しいつもベストパフォーマンスができるように身体のケアに務めています。
身体が資本、そして彼の勇姿、パフォーマンスと活躍がダニロ選手を支えるスポンサーの大きなメリットにもなります。

-空手家の皆さんはいかがでしょうか?

苦しいこと身体が辛いことが精神修養になり根性もついて強くなると考えていませんか?
怪我は当たり前、骨折くらいで音を上げない、空手に怪我はつきもの、痛みは根性で耐えることができる。
これまでの多くの空手家がそうだったように未だにこのような考えの指導者が少なくありません。

昨年、某団体の空手日本選手権大会優勝者から私に連絡がありました。
全身の関節が傷んで選手権前に何とかしたい。優勝候補としてパフォーマンスを故障で低下することがないように・・・
PRPの療法をご希望されていましたが、私は治療をお断りました。

理由は、治療すれば痛みが治りパフォーマンス向上が見込まれると単純に考えられていたからです。
治療すれば大丈夫、痛みさえ取れれば・・・
パフォーマンス向上には疼痛改善は必須ですが根本的な原因やトレーニング法、日々の体のケア、メンテナンスがおろそかでその場しのぎの治療は決してアスリートのためにはなりません。

私は丁寧にPRPの有効性、経過、現状を改善するためのケアやコンディショニングまで詳細なメールを送らせていただきましたがその後、メールの回答すらありませんでした。
大切なことは、治療だけではなくその過程と礼儀です。
丁寧にメールで回答を受け取った場合は、お礼を返すのが社会性が有るアスリートの資質です。

-格闘家には怪我がつきもの

打撃系格闘技では当然試合後は、身体に少なからずダメージを残します。このダメージを最小限に抑えるためにどうすればよいか。常にこのことをダニロ選手は考え試合に臨んでいます。

ダニロ選手は、これまでも紹介させていただきました、水素療法、自律神経セラピー、パワープレート、エアナジー、といったシステムでコンディショニングを行い 自律神経機能向上に努めて いつも緊張する試合においても通常通りのパフォーマンスを平常心で発揮できています。

77BLACK WATERを取り扱う 南洋ホールディングス株式会社がBLACK WATER http://www.blackwater.jp/ の供給をスポンサーとして行い、さかえクリニック http://www.sakae-clinic.com/ では水素療法 http://legarsi.co.jp/ 、トレーニング指導など を行なっています。

日々の身体のコンディショニングは BLACK WATERを飲用し、試合前の疲労回復や痛みのケアは、自律神経サロンでセラピストによる自律神経セラピーを受けて、試合直前にはさかえクリニックで水素療法とパワープレートによるコンディショニングを受けています。

スポンサーはアスリートに金銭を支給するだけでなくベストパフォーマンスが出せるためのサポートを各企業の特色をだしてサービス提供することも大切です。アスリートの希望は何よりも試合に勝利し1日も長く現役アスリートとして活躍することだからです。

今や彼は格闘技界のブラジルの英雄と言ってもよいほどの知名度と実績になりました。
来年からK1がテレビ放映される可能性も囁かれていますが、K1出場を希望されていますダニロ選手がテレビでもその勇姿をきっと見せてくれるでしょう。

アスリートとして指導者としてジム経営者であるビジネスマンとしてのダニロ・ザノリニ選手の活躍が多くのアスリートの手本となっていくと考えています。

ダニロ・ザノリニ  プロフィール

Danilo Zanolini
(ダニロ・ザノリニ)

[生年月日]
1980年7月29日
[出身]
ブラジル・サンパウロ
[身長]
174cm
[体重]
78kg
[所属]
ブラジラアン・タイ

[戦績]
45戦34勝11敗 17KO

[タイトル]
第2代HEATキックルール ミドル級王者

初代RISEウエルター級王者

ISKAスーパーウエルター級王者

祖母が日本人の日系ブラジル3世のダニロ・ザノリニは、9歳の時ブラジルで極真空手を習い始め15歳でキックボクシングを始める。

幼い頃から貧しく衣食住満足にいく程の稼ぎのある仕事も少なく、17歳で母と共に生活圏を日本に移す。

車の塗装業をしながら日本での生活のルールを覚え同時に空手道場にも通い始める。

しかし24歳の時ブラジル在住の父が大病を患い帰国。

帰国後人生の伴侶と出会い結婚、更に一児の父となるが病気の父が56歳の若さで他界。

ダニロは天国の父に格闘技で大成する事を誓う。

その後ブラジルで極真空手の道場に再び通い始め黒帯を取得し腕を更に研き2004年 極真空手ブラジル、サンパウロ王者に。

そして2005年に再び日本へ。

岐阜県可児市に拠点を移し近くの公園で空手、キックボクシングを教え始める。

ダニロの人を選ばない優しい性格に惹かれ道場生はどんどん増えていき公園での青空道場も30名を超えるまでになった。

その後体育館を借りる決断をし天気に左右されない屋内での道場が始まる。

2006年からキックボクシングの試合に出場しHEATに参戦。

怪我などの試練を乗り越え連勝を重ね実績によりタイトルマッチ挑戦の声がかかった。

そして2010年3月HEAT13でHEATキックルールミドル級タイトルマッチに挑戦。

ムエタイ80勝を誇る王者ファピカートRSプロモーションをストレート1撃で豪快な失神KO勝利を飾りHEAT2代目王座に輝いた。

その後はK-1に参戦。

2010年佐藤嘉洋にKO負け。
同年中国大会で判定勝ち。
2012年モンゴル大会でKO勝ち。

HEATの防衛戦ではK-1 WORLD MAXで活躍した濱崎一輝を判定で、韓国のイ・スファンを2ラウンドTKOで退けた。

更に2012年にはK-1ジャパントーナメント優勝の名城裕司も判定で降し防衛を続けた。当時の実質 日本ナンバーワンK1王者に圧倒した。

2013年9月にはRISEウエルター級王座決定戦に参戦し金井健治を判定で、11月の決勝は渡部太基を判定で降し2つ目のタイトルを獲得。

防衛戦では2014年7月にK-1日本トーナメント全試合KO勝ちの長島☆自演乙雄一郎を退け初防衛。K1で活躍していた長島選手の実力を考えるとこの時点でもダニロ選手が国内最強のキックボクサーと評価される。

2014年3月22日名古屋国際会議場にて行われたHEAT35の防衛戦では韓国キックボクシング協会ミドル級王者ベク・マクソンを2ラウンドKOで降し6度目の防衛を果たした。

多くのナショナル王者を撃破したダニロ選手は、多くのキック団体がひしめく中でも図抜けた実力者であるといえる。

2015年11月29日(日)愛知・名古屋国際会議場イベントホール

ISKA世界スーパーウェルター級(70kg)タイトルマッチ 3分5R
フィリップ・サモン(フランス/ISKA世界スーパーウェルター級王者)
vs
ダニロ・ザノリ二(ブラジル/TS Gym/ブラジリアン・タイ/HETAキックルールミドル級王者、RISEウェルター級王者/挑戦者)
に劇的KO勝利を収めタイトル奪取に成功。ラウンド前半は王者の強力なパンチとキックに苦しんだが、反撃の連打でサモン選手は失神KO。
HEATで各国のキックボクシング王者を撃破してタイトルの防衛を重ねているダニロ選手の実力を魅せつけた試合になった。

現在ダニロ・ザノリニは、ミドル級・ウエルター級共に向かうところ敵無しの心・技・体を兼ね揃えた3冠王者である。