高気圧酸素療法は自律神経レベルアップの鍵

2015.11.21

2002年ワールドカップが開催される直後にイングランド代表のデビッド・ ベッカム選手。実は彼はワールドカップのおよそ7週間前に左足の第2中足骨を骨折して おり、試合出場までには10週間が必要だとされていました。 この時点ではベッカム選手の出場は絶望的とされました。ところが彼は通常考えられるより3週間も早く骨折を治し、ワールドカップに出場、奇跡の復活を果たしたのです。

そのときの治療が酸素療法と報道され話題となったのが酸素カプセルでした。2011年から北海道日本ハムファイターズの一員として活躍する斎藤祐樹選手をはじめ、多くの有名スポーツ選手、著名人の方々が疲労回復・集中力アップ等に、この酸素カプセルを沢山の方々は利用していることは有名です。

-高気圧酸素療法

高気圧酸素療法システムは、私が医療機関として日本で最初に導入しました。
当時は日本製品はなく米国からの輸入品でした。
ちょうど清水エスパルスと同時期に導入し 多くのトップアスリートが高気圧酸素カプセルによる高気圧酸素療法でケアを行うためクリニックを訪れていました。
中日ドラゴンズの川上憲伸投手、関川浩一内野手を始め主力、阪神タイガース 桧山進次郎外野手、片岡篤史内野手、濱中治外野手など主力選手が さかえクリニックでケアを受けていました。
多くのメディアが取材に訪れ 多くのプロ野球選手には さかえクリニックだけが高気圧酸素療法で疲労回復やケアができる医療機関として認知されていました。

ハンカチ王子として早稲田実業 野球部の投手であった 斎藤佑樹選手も地方予選前には赤坂のさかえクリニックで高気圧酸素療法を受けるために通っていたのです。
当時は OASIS O2というシステムを3台 導入していました、さかえクリニックでは国内で最も多くのトップアスリートへの高気圧酸素療法のケア実績を持っています。
クリニックへはプロ野球選手だけでなくプロボクサー、レーシングドライバー、陸上オリンピック日本代表、ショートトラックスピードスケート世界王者など数多くの分野のトップアスリートが通い高気圧酸素療法を受けていたのです。
トップアスリートのコンディショニングには確実に有効なシステムです。

-実験と検証

ハードな運動は、疲労物質の蓄積や筋肉痛を引き起こします。そのようなときにさらに筋肉活動を行うと筋肉や腱、靭帯などの損傷を引き起こす可能性が高くなります。高気圧環境(1.3 気圧、酸素濃度28%)への滞在により長時間運動後の筋疲労や筋痛からの早期回復が得られるか、スポーツ選手を対象として実験を行いました。

実験方法は、5 日間のトレーニング練習後に毎日1 回高気圧カプセル内に1 時間滞在してもらいその前後で測定を行い、対照群(1 気圧、通常酸素濃度)、高濃度酸素群(酸素濃度28%)、高気圧群(1.3気圧)と比較検討しました。

高気圧酸素では、対照群と比べて、血中乳酸値の低下、筋硬度の低下、筋痛と疲労感の軽減が認められ、また、高気圧カプセル滞在後に下腿の血流量の上昇と足の甲の皮膚温の上昇を認めました。運動後の高気圧酸素環境への滞在は、下肢の血流量を増加させて代謝を促進し、筋疲労や筋痛からの早期回復を促すと推定されます。

「高気圧カプセル(Mild HBO)」と呼ばれる健康回復法について 多くの方々に是非とも知っておいていただきたいことは高気圧環境では酸素を体に溶解し全身の加圧により人成長ホルモンを多く分泌させ体のバランスを整えパフォーマンスを上げます。 最近、我が国ではオリンピックに向けスポーツ選手や美容健康など高齢化に向けて高気圧カプセルの普及が進んでいます。整体や健康回復などの目的で使用されています。

高気圧カプセルは我々の周りにある普通の空気(酸素濃度は21%)を用いて、カプセル中の気圧も地上の気圧(1気圧)の3割増し(1.3気圧)程度の物です。この程度の圧ですと医師の関与を必要とせず使用するガスは空気で100%酸素ではありませんので、我が国の医師法にも、薬事法にも抵触しないで安全に使用できるということです。

あのワールドカップから13年が経ちこの高気圧カプセルが進化し生まれ変わりました。
日本にて筑波大学や順天堂大学のスポーツ医学をはじめクリニックや柔道接骨院などでの実績は多く認められてまいりました。しかし、酸素カプセルの効果は酸素供給の力だけではなく、実は高気圧すなわち気圧の力のほうが強いことが確認されました。名古屋市立大学医学部の研究によると全身に一定の気圧を掛ける事でその刺激が脳の海馬を刺激し人成長ホルモン(IGF−1)が多く分泌し怪我の回復を早めアンチエイジング効果を促進いたします。この気圧は1.5気圧以上より1.3気圧のほうが効果があることが筑波大学の研究で確認されています。

-高気圧カプセルAPF2

トップアスリート株式会社では、エアープレス社が独自に開発した最新式モデルの高気圧カプセルAPF2を使いアスリートのパフォーマンスと自律神経の変化などをテストいたしました。
多くの酸素療法カプセルの中でもこのシステムの信頼度や操作性は卓越した機能で大変使用しやすい設計となっています。

一般の方からトップアスリートまで手軽に利用できるシステムで安全性の設計も確実に行われ、私が15年前に導入したOASIS O2とは 操作性も安全性も有効性も機能もこれほど違うのかと感心するほどです。

当時、OASIS O2は380万円ほどでしたがAPF2は、価格も安価にもかかわらず技術的進化が目覚まいスポーツ医学専門医の私もイチオシのシステムです。
もちろん 私自身、疲労回復、コンディショニング目的で使用しています。

この高気圧カプセルは従来の酸素カプセルとは違い場所を取らない縦型と横型の両方どちらでも使うことができます。縦型のカプセル内部ではゴムチューブなどを使い高気圧トレーニングやリハビリケアが行えます。また出入り口の開口が従来の倍の大きさがあるので圧迫感がなく高齢者や怪我人でも出入りが楽になりました。

カプセル内部には免疫を高めるために3万ベクレルのラドンガス発生器(ホルミシス)が取り付けてあります。またカプセル内部にて水素発生器を取り入れ気圧を掛け吸引することにより血液や体液により多く水素を浸透させることが出来ます。(特許出願中)また、全身を加圧することで体の歪みを整え人成長ホルモン(IGF−1)よりを多く分泌し体の機能とパフォーマンスを向上させます。さらに全身の加圧システムは、副交感神経を優位にいたします。

良質な酸素を取り入れることで、疲労物質である乳酸を分解、除去し、疲労回復に効果的です。また毛細血管の固まりである皮膚にも酸素が行きわたることで美肌効果も期待されます。肌のハリを保つコラーゲンの新陳代謝が活発になることでお肌をキレイにしてくれるのです。

取り入れた酸素は血液中だけではなく、リンパ液や脳の随液にまで行き渡るので身体全体の流れが良くなり、むくみや冷え、肩こりなども改善されます。ダイエットをされている方にも、脂肪が燃えやすい状態になり、疲れにくくなるのでラクに運動もでき、効率よくダイエットができます。

カプセル内には青いLEDが取り付けてあり、青い光が皮膚の知覚神経を刺激しIGF-1成長ホルモンの分泌が増加し、育毛などの研究が進んでいます。(名古屋市立大学調べ)

アスリートのパフォーマンス向上、美容健康増進、高齢者の病気予防、リハビリテーションなどに効果的と言えるでしょう。

高気圧の時は気分が優れますが低気圧、つまり天候が下り坂になると体調の不調を訴えたり体がだるくなり古傷が痛み出すこともありますね。

これは身体の血流にも変化が、まさしく自律神経機能に気圧が大きく影響を与えているためなのです。
最初の頃は血漿中に溶け込む酸素濃度が向上することばかりに注目が集まっていましたが高気圧による自律神経への影響がまさしくコンディショニングやケアに大きく役立っている可能性が最近ではわかってきたのです。

さかえクリニックではすでにアスリートを対象に高気圧酸素療法前後の自律神経機能の変化の調査を行い 高気圧酸素療法の自律神経機能向上の有効性を確認しつつあります。
クリニックには世界最高峰の自律神経機能計測システム BIOCOM社製のハートリズムスキャナーで検査、分析を行なっています。

スポーツ選手や高齢者の方など多くの利用者にとって安全・安心な高気圧カプセルが求められているわけですから、私たちはこのことを目的に多いに知恵を出し合う必要があると考えます。