2014.05.23
手術でなくても治せる
私の専門分野の一つである美容外科では 汗と臭いで悩む患者様へ様々な治療が行われています。その中で、特に 腋の汗、臭い、シミが最も多い悩みです。
緊張しても多量の汗をかいてしまい競技パフォーマンスに影響することもあります。
通常以上に汗や臭いが強く 治療が必要な症状を 多汗症、腋臭症(ワキガ)と呼んでいます。汗や臭いが酷くても体質だからやむを得ないと考えられている方も少なくありません。
以前は治療は手術が唯一の治療法で入院したり傷跡が残ったり身体にも生活にも大きな負担がかかる治療でした。
医学が進歩し 多汗症や腋臭症(ワキガ)の治療には手術を行わなくいても効果が大きく簡単に確実に改善する治療法があります。
多汗症や腋臭症(ワキガ)治療は
1:手術
2:ボトックス注射
3:電気分解 (凝固) 法
4:ミラドライによる超短波照射療法
の4つの治療法が国内では行われています。
しかし、1の手術はリスクが大きく安静期間も1週間以上、身体への負担の割には効果が悪いため私のクリニックでは、現在は手術を行っておりません。
手術は、植皮と同じ治療経過をたどるため 2週間ほどの入院安静が必要であり効果を考えますと外来で簡単に行えるわけではありません。傷跡、日常生活の制限、負担、痛み、効果を考えてとても手術はお勧めできません。
数年前まで、治療効果より営利を優先させた吸引法という、いわゆるインチキ治療法が一部の美容外科クリニックで行われ 全く効果がないばかりか醜い傷跡が残り大きな問題にもなりました。
簡単、確実、安全という手術は医学的に考えて存在しませんので要注意です。
2のボトックス注射は BOTOXという薬剤を皮内へ注射して汗の腺の活動を抑制します。両脇1-2分で治療が終了し 1週間目頃から効果が出現して半年ほど大幅に汗や臭いが軽減します。
手軽に治療が受けることが出来て確実な効果ができる優れた方法ですが、効果が永久的ではないためワンシーズンだけの症状を抑える一時的な治療法です。ただし、安価な中国製の製材を使用している医療機関もあり要注意です。
私のクリニックでは、安全性の最も高いと評価されています、アラガン社製のみを使用して治療しています。
効果も不安定で、不純物の混入も疑われているアラガン社以外の製剤には注意が必要です。
ディスカウント治療で、施術を受けられた患者様で、全く効果がなかった、異常な効果が出現したなど、不安定な製剤での施術には、大きなリスクが伴う場合があります。
3の電気分解(凝固)法が私どもが最も推奨する ワキガ・多汗症の治療法です。
この治療の特徴は
・一切傷跡が残らない
・施術直後から効果が実感
・施術中、施術後を通して痛みが無い
・施術直後から日常生活、入浴などが可能で制限が無い
・子供から高齢者まで年齢に関係なく受けることが可能
・施術時間が短く身体への負担がほとんどない
この治療は、絶縁針という特殊な針を毛穴に挿入して毛の周りに存在する 臭いの元であるアポクリン汗腺、汗の元であるエックリン汗腺、黄ジミの元である皮脂腺を高周波によって発生する電気エネルギーで破壊します。つまりピンポイント治療ですから周囲の正常な皮膚構造への影響は全くありません。
手術は非選択的に皮膚を半殺しにして腋臭や多汗が原因の汗腺を破壊する乱暴な方法なのです。
残念ながら特殊な危機が必要であること、高度な熟練した技術が必要であるため普及しておらず国内でこの治療法を受けることが出来るのは私のクリニックだけになります。医師ご自身やそのご家族の皆様も数多く、わきが(ワキガ)多汗症の治療法としまして電気分解法(凝固法)を選択され受けられています。
理由は 医師は誰もが、手術の傷跡やリスクを十分ご存知だからです。 小学生高学年から70歳代の方まで治療を受けていただける安全なわきが(ワキガ) 多汗症治療法 電気分解(凝固)法が最もお勧めできる治療法です。
医師自身がワキガ・多汗症で悩む場合、選択する可能性が最も高い治療法は電気分解法です。
実際、私のクリニックでは多くの医師がこの電気分解法(凝固法)施術を受け満足されていますし、ご子息もこの治療を選択されています。手術の大きなリスクやデメリットを考えますと医師がしり込みする現状があるのです。
ボトックスによる手や足、頭部の多汗症治療
一時的に汗や臭いを抑制できる方法がBOTOX注射です。何度でも手軽に受けることができて確実な効果が半年ほど得られます。電気分解法がこんあんな手のひらや足の裏の多汗症の治療にも有効です。
最近では注射の痛みを回避するために、ダーマスタンプという極細の針が付いたスタンプを手のひらや足の裏に押し当て治療を行う方法があります。これにより短時間で痛みが少なく治療が可能となりました。
4のミラドライは最近開発された治療法ですが、臭いには効果も少なく 術後の痛みや腫れが大きく電気分解法に比較してお勧めできる治療法ではありません。超短波を皮膚へ照射して内部に生じさせる熱エネルギーで汗腺を破壊する理論ですが、同時に正常皮膚も大きなダメージが及び施術後の日常生活へも影響が出現します。
また、高額な治療費の割には満足できる効果が少なく現在ではまだまだ課題が大きな不安定な治療法と言えるでしょう。1時間近い治療時間もネックになっています。
アスリートは絶えず汗をかく状況になります。多量の汗が競技パフォーマンスを低下させることが無いように汗のコントロールも重要な課題になってきます。
アスリートにとって必ず気になる、汗と臭い。最先端の医学で簡単なケアで確実な効果が実感できます。